気づかないうちに進行するため
定期的に検査を受けることが
大切です

眼球内の圧力（眼圧）により視神経がダメージを受け、視野（見える範囲）が狭くなったり、欠けたりする病気です。40歳以上の日本人のおよそ20人に1人が発症すると言われています。初期段階ではほぼ自覚症状がなく、気づかないうちに進行するだけでなく、狭くなった視野、欠けた視野は取り戻せません。日本人の中途失明原因の一位の疾患であり、人生100年時代と言われる高齢化社会にあってますますその管理が重要になっています。

眼圧検査

手軽に測定できる検査です。眼圧は10〜21mmHgが正常範囲とされていまが、日によって変動し、昼と夜でも異なる場合があるため、日や時間を変えて測定する場合があります。眼圧が正常範囲でも視神経のダメージは進行する「正常眼圧緑内障」もあり、眼圧が正常範囲だから緑内障ではないとは断言できません。

眼底検査

目の中を観察し、視神経や網膜の状態を調べる検査です。緑内障では視神経の束の中心のへこみ（視神経乳頭陥凹）が大きくなります。また、視神経乳頭に出血を認める場合も緑内障が疑われます。近年はOCT（光干渉断層計）という検査機器によって、網膜の断層画像を撮影することで緑内障の早期診断が可能になっています。

薬物療法

治療の基本は、病気の進行を抑える目薬を使った点眼治療です。緑内障のタイプや重症度、眼圧などに合わせて目薬を処方します。場合によっては、複数の目薬を組み合わせるケースもあります。毎日忘れずに点眼を続けることが大切です。

緑内障レーザー（SLT：選択的レーザー線維柱帯形成術）

眼内の水（房水）の出口である線維柱帯にレーザーを照射することで房水の流出を改善し、眼圧を下げる治療です。色素細胞のみを選択的に凝固し、組織破壊を伴わない点が特徴です。合併症のリスクが低く、副作用がほとんどありません。繰り返し治療可能で、点眼薬にアレルギーがある方や点眼の副作用が心配な方に適しています。治療時間は5分程度で、痛みはありません。